読書のブログ

読書メーターで記録した、読んだ本のまとめ

知ってはいけない

戦後の日米間で交わされた密約を軸に、なぜ日本だけがこんなにアメリカの言いなりになっているのかを考えた本。岸信介を始めとした過去の政治家・官僚たちに怒りと失望を覚える。

中国とアメリカの経済戦争が拡大する中で、日本は世界三位の経済大国として両国の間を取り持つ立場に立てれば、存在感を示せると思う。しかし、総理大臣がアホであることに加え、難しい舵取りをできる政治家が日本には皆無であるところが我々にとって不幸である。

 

アメリカが超大国として君臨し続けているのは、産業の力と軍事力だけでなく、高い政治的交渉力も持っているからなんだと痛感した。

FACTFULNESS ファクトフルネス ハンス・ロスリング

10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

 

思い込みを排除して世界を正しく見ることで、世界が進歩してきていることがわかる。特に、途上国と考えられている国の多くで、我々が思っているよりもずっと発展している。例えば、子供の予防接種を見ると、8割以上の子供たちが何らかの予防接種を受けており、電気の普及を見ると、8割以上の人々がいくらかは電気を利用できる。

テレビやネットのニュースを見ていると、悲惨な事件や災害がクローズアップされており、どうしても暗い気持ちになってしまい、世界が明るくなっているようには思えない。しかし、科学技術の進歩と医療・教育の発展に伴い、第三世界ではものすごいスピードで収入が増え、生活の質が向上している。正しく世界を見ることで明るい気持ちになるだけでなく、ビジネスチャンスを見つけ出すことにもつながる。

 

まとめ

本能による10の思い込みを抑えることで世界を正しく捉えられる

  1. 分断本能
  2. ネガティブ本能
  3. 直線本能
  4. 恐怖本能
  5. 過大視本能
  6. パターン化本能
  7. 宿命本能
  8. 純化本能
  9. 犯人捜し本能
  10. 焦り本能

 

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

 

 

 

Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think

Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think

 

 

伝わる技術

伝わる技術

サッカーの監督が書いた伝え方の本。サッカーの話が主で、選手にどう接したら最も上手く伝えられるのかを書いている。伝えたほうが伝わる場合と伝えないほうが伝わる場合があるというところがこの本の肝である。

 

 

われ笑う、ゆえにわれあり 土屋賢二

笑う哲学者、土屋賢二の文春文庫1冊目。

われ笑う、ゆえにわれありの感想

東大を卒業し、お茶大で哲学を教えている土屋先生がふざけ倒して書いたユーモアエッセイ集。雑誌などに掲載されたエッセイがまとめられている。とにかく支離滅裂な文章が続き、苦手な人も多いとは思うが、はまる人にはドはまりすると思う。ユーモアたっぷりの文章の中に深い哲学的洞察が見え隠れしているように感じる。

 

われ笑う、ゆえにわれあり (文春文庫)

われ笑う、ゆえにわれあり (文春文庫)

 

 

現代アートとは何か 小崎哲哉

 現代アートとは何か

 

ここ数年の間、美術館で現代アートと呼ばれるものを見るたびに、何がいいのか疑問に思っていた。この本を読んで、積年の疑問が解決された。

 

この本をまとめると、現代アートはもはや美を目指したものではない。現代アートを日本語に訳すなら、現代美術とか現代芸術とかではなく、現代知術である。ということだと思う。

いままで、現代アート作品を鑑賞するときにも、古典的な芸術を楽しむときと同じような心構えでいた。これがまったくの誤りであった。以前、知り合いの音楽家と話をしたときに、現代アートは作者が自分の中に抱えきれない思いを放出する場だと言われ納得したが、どう楽しんだらいいのかについて疑問が残っていた。この本を読んで、現代アートは美しいかどうかではなく、感覚に訴えかけるものがあるかどうかで楽しむものであると理解した。

 

初めの章では、現代アートという巨大なビジネスについて書かれているが、桁が大きすぎて理解を超えている。登場人物はほとんど知らないが、時々超有名ブランドの名前が出てきて驚く。一般庶民には手の届かない世界が広がっている。

 

今度美術館に行こう。

現代アートとは何か

現代アートとは何か

 

 

ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実 望月 優大

 ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実

 

日本の移民の現状と歴史についてよくまとまった一冊。

 

特定技能による移民の受け入れは、派遣労働者を外国から集めるようなもので、ひどい政策である。また、日本の移民政策は建前と内実がかみ合っておらず、長期的な視野に立った政策がとれていない。この手の本を読んだ時によくあることだが、政府のひどさを痛感して暗い気持ちになった。

ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実 (講談社現代新書)

ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実 (講談社現代新書)

 

 

 

9.11後の現代史 酒井 啓子

講談社現代新書9.11後の現代史を読了。

 21世紀の中東について詳しく、わかりやすく書かれている。なんでこんなに混乱しているのか、どこが混乱しているのかについてよく書かれているが、解決策が書かれていないところを見ると、専門家でも解決策を提案できないほど難しい問題なんだと思う。

 中東地域の争いは宗教に絡んだものだと思っていたが、長い間スンニ派シーア派とその他もろもろの人々が安定して暮らしていたことから、原因の根本はそこではないというのが分かった。

 それにしても中東地域の混乱の現状を知ると、米英の身勝手さにはらわたが煮えくり返る。建前はともかく実際は自国のことしか考えずに介入して、荒らすだけ荒らして後は知らんぷりというのはほんとに腹が立つ。ウルトラCの解決策はないかもしれないけど、何とか安定した社会になってほしい。