読書のブログ

読書メーターで記録した、読んだ本のまとめ

現代アートとは何か 小崎哲哉

 現代アートとは何か

 

ここ数年の間、美術館で現代アートと呼ばれるものを見るたびに、何がいいのか疑問に思っていた。この本を読んで、積年の疑問が解決された。

 

この本をまとめると、現代アートはもはや美を目指したものではない。現代アートを日本語に訳すなら、現代美術とか現代芸術とかではなく、現代知術である。ということだと思う。

いままで、現代アート作品を鑑賞するときにも、古典的な芸術を楽しむときと同じような心構えでいた。これがまったくの誤りであった。以前、知り合いの音楽家と話をしたときに、現代アートは作者が自分の中に抱えきれない思いを放出する場だと言われ納得したが、どう楽しんだらいいのかについて疑問が残っていた。この本を読んで、現代アートは美しいかどうかではなく、感覚に訴えかけるものがあるかどうかで楽しむものであると理解した。

 

初めの章では、現代アートという巨大なビジネスについて書かれているが、桁が大きすぎて理解を超えている。登場人物はほとんど知らないが、時々超有名ブランドの名前が出てきて驚く。一般庶民には手の届かない世界が広がっている。

 

今度美術館に行こう。

現代アートとは何か

現代アートとは何か