読書のブログ

読書メーターで記録した、読んだ本のまとめ

科学を語るとはどういうことか

物理学者と科学哲学者の対談本。

物理学者の須藤さんが、科学哲学に対する疑問というか不信感を科学哲学者の伊勢田さんにぶつけ続けている。

きつめの批判に対して丁寧に説明を繰り返しており、いままでもやもやしていたところが少しスッキリした。須藤さんが笑っちゃうくらい攻撃的なため、気分悪くなるひとがいるかも。議論の出発点と目的地のずれは最後まで解消されず、平行線に終わっている感じがあるが、それが新しくて面白かった。

生物学をやってる身からすると、物理学者である須藤さんが自分の科学観を自然科学者一般の科学観として議論している点には納得できず。帰納的に作成したモデルで未知の現象を予測し、それを実験的に確かめることが科学の王道のように話していたが、それだけが科学ではないだろう。

とはいえ、かんかんがくがくの議論は非常に面白かった。